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「X]に研修後記を掲載しております。

これまでのリーダーには「ボス」である指揮統制の役割が求められていましたが、今の世代が求めるリーダーは、他者に敬意をはらうことのできる「コーチ」と言われています。

背中で語る「ボス」も素敵ですが、いくつかの学術研究によってリーダーが「ボス」から「コーチ」へと変化することで、メンバーのエンゲージメントがあがり、パフォーマンス向上に大きな影響を与えることがわかってきました。

「ボス」型リーダーには敬意がないと言っているわけではありません。
ここでいう「コーチ」と「ボス」の違いは伝え方です。
「あなたのことを理解し尊敬しているよ」という意思表示のもと見守ることが出来るのが「コーチ型」と定義させて頂き、 これまで内に秘めていた「愛」を分かりやすく表現していただきたいのです。
「あなたのことを理解し尊敬しているよ」を表現することでメンバーは安心してパフォーマンスを発揮していきます。

「あなたのことを理解し尊敬しているよ」という意思表示はどうすれば伝わる?

それは、ずばり対話です。 コーチに大切なことはメンバーとの対話! ということで、今回はメンバーのエンゲージメントをグングン上げるコーチング対話5パターンについてお伝えします。 ちなみに、この5パターンのうち どれかを実践すればよいということではありません。 5パターン全てを実践していただくことが必要になります。

パターン1 職務の明確化と人間関係の構築

コーチングのための会話の目的の一つは
「個人ごとの強みを把握し、組織全体の目標に合致した役割を設定すること」
です。
このために必要な対話は、メンバーに対して
・この役割における成果とはどのようなものか
・この役割における同僚の期待値はどのようなものか
・この役割が組織全体において、どのような連携をしているのか
といったことを明確化することです

職務の明確化
○頻度:通常年1回あるいは職務や役割が変わった時
○時間:1~3時間程度
○対話形式:個人

パターン2 クイックコネクト

リーダーには「クイックコネクト(短時間でもよいのでつながる)」の習慣を身に付け、メールや電話、立ち話など、様々な手段で、短時間の雑談的なやりとりをして頂きたいと思います。
この対話があることで、メンバーは自分が軌道を外れていないかを常に確認でき不要な衝撃にぶつからずに仕事を進められるようになります。
ちなみに、この対話の中身はリーダーの言い分を伝えるものではないのでご注意ください。
あくまでも雑談です。

若手の社員のカウンセリングで
「実はプロジェクトリーダーと話が出来ないことが気になっているんです。仕事の質問は丁寧に答えてくれるのですが、雑談が難しくて。他のメンバーとは雑談もしておらえるのですが。自分とはそれはなくて、こちらから話をしたくてもどんな話をすればよいのか難しくて」
といったお悩みを聞く事もあります。
きっとプロジェクトリーダーにとっては「えっ、そうなの?」と無意識程度のことかもしれません。
部下にとっては、この気持ちが続くと、
・自分はプロジェクトリーダーと会話が出来ていない
・プロジェクトリーダーは自分のことが苦手なのかもしれない
・自分もプロジェクトリーダーが苦手なのかもしれない
・何となく仕事の質問もしにくくなってきた
といったことになりかねません。
皆さん、想像している以上に声掛けを待っていたりします。
オンラインであればあるほど気配りをお願いしたいところです。

週一で短時間ミーティングを行い、近況を報告し合うのもいいですね。
知り合いの、ほぼオンライン作業プロジェクトでは、リーダーが毎朝雑談時間というものを設けているそうです。
チームメンバーである新入社員は「その時間があることで、その人の個人的なところに触れられて仕事もしやすくなっている」と話してくれました。そういうものだと思います。

○頻度:少なくとも週1回
○時間:1~10分程度
○対話形式:個人 or チーム

パターン3 チェックイン

これまでの作業をメンバーに振り返っていただき、業務の内容と優先順位を確認(場合によっては再設定)するものです。
メンバーのニーズや職務内容に応じて、期待値や仕事量、目標、ニーズについて話し合います。

チェックインは、会議の冒頭などにアイスブレイクとして行われるものですが、ここで抱えているものを話して肩の荷を下ろし、議題に集中して入れるという意味合いもあります。
このチェックインでは、各々が業務を整理し、改めて仕事に集中できるという効果が期待できます。

クイックコネクト
○頻度:月に1~2回
○時間:10~30分程度
○対話形式:チーム

パターン4 育成型コーチング

メンバーのキャリアや自分のやりたいこと、成長の方向に応じて、今後の行動計画やスキルトレーニングなどを対話するものです。
メンバーの強みに焦点をあてて、方向性を示したり、アドバイスをするのですが、この時にメンバーの個性を知っているとコーチングがより機能します。

育成型コーチング
○頻度:プロジェクトの任命、キャリア開発の機会、本人からの相談などのタイミングで
○時間:10~30分程度
○対話形式:個人

パターン5 進捗レビュー

進捗状況の報告と評価ですが、ここでの対話は進捗に対する成功を祝い、今後の達成に向けて準備し、能力開発と成長の機会を計画します。
ニーズが変化したときには、期待値を再設定することも行います。

進捗レビュー
○頻度:年2回程度
○時間:1~3時間
○対話形式:個人

以上、マネージャーに必要な5つの対話でした。
全てのベースにあるものは、マネージャーはチームメンバーの気付きを促し、やる気を引き出すこと。
自分事の語りすぎやお説教モードは要注意です。
言いすぎないことによって、新たな発想が出るようになります。
チームの新たなステージをけん引してくれる存在だと信頼す尊敬して応援いたしましょう!

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