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「X]に研修後記を掲載しております。

「”共感力” が素晴らしい」
「”共感力” が足りない」
「”共感力” すごいよね」
そんな風に「共感力」という言葉はコミュニケーションのベースといったニュアンスで使われることが多いように感じますが、あなたの中にある「共感力」はどのようなニュアンスですか?

カウンセラーマインドを学ぶ際の基本スキルにアメリカの心理学者「カール・ロジャース」の提唱した「傾聴三原則」があります。
「共感的理解」、「無条件の肯定的関心」、「自己一致」
カウンセラーはこの三原則に従って、カウンセリングの演習を幾度も繰り返していくのですが、私はここで「共感的理解」という言葉を深めることになりました。

当時ご指導くださった先生からは、
「『鴨川に入って冷たい』という話を聴いたときに、”そうか、冷たいんだな…” と感じるのが共感的理解で、決して一緒に鴨川に入るという事ではないのよ。」
と教えていただきました。
なんて優しいニュアンスなんだと感心し「相手を感じる」ことを大切に過ごしてきました。

ただ、
「心理的安全」に向けた組織作りというに観点では「共感的理解」だけでは勿体ないと感じています。

かなり勿体ないです。 というか足りないのです。

あなたの中にあるチームメンバーを理解するとはどのようなニュアンスですか?

質問です。
あなたが歩いていると、近所のスーパーの入り口に
「おせちの予約受付始めました」
という貼り紙があったとしましょう。

どんな感情が沸くでしょうか?
どんな記憶が呼び覚まされるでしょうか?

私の場合は、
・小さいころはおせち料理準備のお手伝いしていたな
・栗の渋皮煮の皮むきが大変すぎて手も真っ黒になるし、ほんと嫌やった。美味しいけど(笑)
・「なます」シメ鯖入れるよね。シメ鯖のないなますは残念すぎる
・来年のお正月どうしようかな。実家に帰省したいな
・今年頼んだOisixのおせちは美味しかったし彩りがよくて楽しかったな
といったことが思い浮かびます。

「共感力」発揮!とばかりに
「そうか…栗の皮むいてたんですね、なますのシメ鯖ね、実家に帰省したいのですね…」
と相手を感じる…
…だけでは勿体ない!

組織のチームメンバーにほしいのは「共感的理解」+「歴史への理解」
「この人はおせち料理栗の渋皮煮を作っていて、なますにもこだわりがあったり、実家に帰りたいという思いがあるのだな」
と、その人の歴史(生きてきた営み)を知り、一人の人間としての尊厳を大切にしていただく事こそ人間関係の醍醐味ではないでしょうか。

当然だよ!と思っておられる方も多いかもしれないですね。
だとしたら、とても嬉しいです。

その人の歴史(生きてきた営み)を知るきっかけ作りが「チームビルディング」であり、聴くスキルが「傾聴」や「質問力」です。
「共感的理解」+「歴史への理解」で相手を知ってほしい。

大切な人・チーム・プロジェクトを大切にするための「共感的理解」+「歴史への理解」
丁寧な人間関係を紡いでいけば、素敵な織物が仕上がります。

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