未来を創るビジネス力

未来を作るビジネススキル

ビジネス環境がめまぐるしく変わる今、仕事の成果を決めるのは「どれだけ柔軟に学び、行動できるか」です。「未来を創るビジネス力」では、若手社員をはじめとするビジネスパーソンが、日々取り組む課題を乗り越え、自分らしくキャリアを築くためのスキルとマインドセットを育むプログラムをBlog及び研修でお伝えしてまいります。

若手社員からリーダーまでが身に着けたい「3つのステップ」


ステップ1「 理解できている部分とできていない部分の切り分け」

自身が取り組んでいるタスクや課題において不安を感じることがあれば「理解できている(明瞭な)部分」と「理解できていない(不明瞭な)部分」を明確に切り分けることで、頭の中が整理され、必要な取り組みが明確になります。

具体的な行動

  • 現在の業務内容やプロジェクトをリストアップし、「自分が確実に理解している点」「よくわからない点」を切り分ける。
  • 不明な点を明確化したうえで、上司・先輩に質問する、マニュアルに整理するなど、頭の中を可視化する。

例えば、プロジェクトで社内プレゼンテーションを任されたときに、漠然とした不安感があったとします。その際に、社内プレゼンテーションのための流れを
「プレゼンテーションの目的の把握」⇒「プレゼンテーション資料の作成」⇒「プレゼンテーションの発表」
に細分化します。

つづいて不安を感じる部分にフォーカスして、作業を洗い出します。「プレゼンテーション資料の作成」が不安なのであれば、「テーマ検討」「設計」「ストーリー」「資料作成技術」に細分化し、どの部分が不明瞭なのかを把握し取り組みを考えます。不明瞭な部分を明確にできれば、先輩への質問もしやすいはずです!

利用できるフレームワーク
マトリックス分析:縦軸にタスク、横軸に必要なスキルを記入し、自身の理解度を1~3で記入
ギャップ分析:理想と現状を比較し、足りない部分を把握
■ SWOT分析:自分やチームの強み・弱みを棚卸し、強化する部分、不足している部分を把握

ステップ2 「課題への対応方法の整理(質問する・調べる・まとめる)」

不安や課題を明確にしたら、次の段階は「正しい情報を集め、課題解決の糸口を探すこと」です。
「聴く」力と「適切な情報を収集」することで、問題の本質や解決へのヒントが見つかります。ここでのポイントは「必要な情報を、最適なタイミングで取得すること」です。

全体(大局)と部分(小局)を意識したうえで、フレームワークを活用しながら情報収集をすれば、不明点がクリアになり、次のステップ(課題解決)へと進めます。

具体的な行動

  • 情報収集のプロセスを明確にする
    「誰から(上司・先輩・同僚)」「どのように」情報を収集することが効率的かを考えます。
  • 「質問する・聴く」:アクティブリスニングを意識する
    意図を正確に理解するために、相づち・要約・質問を意識的に行い、相手の発言を深堀りします。
  • 「5W1H」なども活用して、不足している情報を漏れなく質問する。
     後から「あれも聞けばよかった…」とならないよう、要点をまとめてから質問します。
    例:「私は〇〇と考えているのですが、この理解であっていますか?」など可視化できるツールなどでも伝えて、相手の考えや情報を最大限に引き出します。
  • 「適切な情報の収集」:資料・ツールをフル活用する
    社内文書やマニュアル、SNSなど、使えるリソースをリストアップ(MECEなどで「社内/社外」「技術資料/市場情報」などシステム的に分類すると便利です)。
    情報収集の手順を「プロセスフロー」に落とし込むと、どの段階で何を概略するかが明確になります。
    例:「疑問点 → 過去資料検索 → 要点整理 → 関連付け → 次のステップへ」 のような流れを図示し、行動しやすくなります。
  • 情報のマニュアル化
    手書きメモやデジタルツール(Excel、プロジェクト管理ソフトなど)を活用して、集めた情報を一元管理することも、課題対応への一助になります。チームに共有することで、抜けや漏れ、解釈違いなども早期発見にも繋がります。
利用できるフレームワーク
5W1H
情報を整理するための基本フレーム。「誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように」を意識するだけで、会話や資料のポイントを抑えられます。
プロセスフロー
手順別に細分化し、どの段階での疑問点なのかを明瞭にします。
MECE(Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)
リソースや情報の種類を「重複なく、漏れなく」分類。社内資料、業界レポート、顧客調査、オンライン分析などの切り口で整理できます。

ステップ3「課題解決技法」

ステップ1「理解の切り分け」で把握した「不安や課題の正体」と、ステップ2「課題への対応方法の整理」で集めた情報をもとに、いよいよ具体的な解決策の導き方を考えていきます。
ここでは、代表的な課題解決手法と、どのようにアクションへ落とし込むかを整理しましょう。

1.課題の原因を見極める
まずは、どこに問題の本質があるのかを掘り下げます。ステップ2で収集した情報を照らし合わせながら、複数の可能性を考えてみましょう。
例:「納期に遅れる原因は、タスク配分の問題か?コミュニケーション不足か?それとも外部要因か?」

2.複数の解決策をリスト化する
ひとつの案に固執せず、あえて複数の選択肢を挙げることで、より柔軟かつ創造的な解決策が生まれます。
例:「プロセスの見直し」「新ツール導入」「外部リソース活用」「思い切ってスコープを絞る」など。

3.実行する際の手順や優先度を決める
出てきた解決策をアクションプランに落とし込み、どの施策から着手するかを決めましょう

具体的な行動

  • 問題を分解する
    ロジックツリーなどを使って課題を小さな要素に分割し、「どこに改善の余地があるか」を洗い出します。原因や要素ごとに対策を立てると、実行プランがより具体的になります。
    いきなり大掛かりに実行するのではなく、まずはスモールスタートで試行し、結果を見ながら調整するとリスクを抑えられます。
  • 効果測定と振り返り
    解決策を実行したら、必ず成果や問題点を評価し、次のアクションにつなげます。
    スモールな成功体験を積み重ね、短いサイクルで改善を回すことで確実な進捗が得られます。
利用できるフレームワーク
■ PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)

小さくプランを立て、実行し、結果を検証して再度改善する流れを素早く回すと効果的です。
■ ロジックツリー
「なぜ?」を掘り下げながら課題を分解していき、構造的に問題点を見つけるためのツール。原因や解決策を枝状に整理できます。
フィッシュボーンダイアグラム(特性要因図)
原因を「人・方法・環境・装置・材料」などのカテゴリに分け、魚の骨のように可視化することで、問題の本質を洗い出す。
KPT(Keep-Problem-Try)
実践後の振り返りに役立つフレームワーク。「Keep(良い点)」「Problem(悪い点)」「Try(次に試したいこと)」を整理することで、継続的に改善していけます。