heart rest/セルフアクセプトコーチ かねみつ陽子さん
自分を「最強のパートナー」に―「私が私でよかった」と思える人生へ
体が疲れたら、「少し休もう」と思う。
けれど、心が疲れているときはどうでしょう。
「まだ頑張れる」
「これくらい大丈夫」
そうやって、知らないうちに無理を重ねてしまうこともあるのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、心を休めることの大切さを伝えている
heart rest(ハートレスト)の、かねみつ陽子さんです。
かねみつさんは、セルフアクセプトコーチとして、
子育てが一段落した方や更年期を迎えた方などが、自分らしく心地よく生きられるよう、
セッションやセルフケアを通してサポートされています。
また、ハーブやアロマを取り入れたワークショップなどを通して、「心が喜ぶ暮らし」も伝えています。
今回のインタビューでは、活動の根底にある思いや、かねみつさんご自身のこれまでの経験について伺いました。
心を休める場所「heart rest」
「heart rest」という名前には、心を休める場所という思いが込められています。
体が疲れたら休もうとするけれど、心の疲れにはなかなか気づけない。
時間に追われ、日常に流されているうちに、自分自身のことを感じる時間さえなくなっていく。
そんな方に、まずは安心して心を休められる場所を届けたい。
かねみつさんは、そんな思いから「heart rest」という名前をつけたそうです。
まずは、安心して心を休める場所を作りたいと思いました。
自分を変えることよりも、まず休むこと。
何かを頑張る前に、自分の心に目を向けること。
「heart rest」という言葉には、かねみつさんが大切にしている姿勢そのものが表れているように感じました。
どんな自分も大切に扱う「セルフアクセプト」
かねみつさんがもう一つ大切にしているのが、セルフアクセプト=自己受容です。
どんな自分も大切に扱って、自分の味方になってあげること。
悲しい。
不安。
怖い。
腹が立つ。
そんな一見マイナスに思える感情が出てくると、私たちは「こんなことを思ってはいけない」と否定したり、なかったことにしようとしたりすることがあります。
けれど、かねみつさんは、
「私は今、こう感じているんだな」と、まず認めてあげてほしい。
と話します。
無理に前向きになるのではなく、どんな気持ちを抱いている自分も、大切に扱っていく。
それが、自分を自分の味方にしていく第一歩なのだそうです。
「私は、本当はどうしたいんだろう?」
かねみつさんが特に思いを届けたいのは、これまで長い間、家族や仕事のために頑張ってきた方たちです。
母として。
妻として。
子どもとして。
仕事をする一人の社会人として。
周囲を優先しながら、一生懸命に生きてきた。
ところが、子育てが一段落したり、更年期を迎えたりしたとき、ふと立ち止まって、
「私は、本当はどうしたいんだろう?」
と考えてみると、自分の気持ちが分からない。
そんな「自分迷子」になっている方も少なくないといいます。
誰かのために生きることも、とても素敵なことだと思います。
でも、もう十分頑張ってこられたと思うんです。
そろそろ、自分のことを考えてもいいんじゃないかな。
誰かのために生きてきた人生を否定するのではありません。
その時間も大切にしながら、これからは自分自身の人生にも目を向けていい。
かねみつさんは、そんなメッセージを届けています。
答えは、その人自身の中にある
かねみつさんのセッションは、何かを教えたり、「こうすればいい」と答えを与えたりするものではないそうです。
答えは、全部その人の中にあるんですよね。
けれど、自分の気持ちは、案外自分では分からないもの。
誰かと安心して話す中で、
「本当はこんなことを望んでいたんだ」
「私は、これが嫌だったんだ」
と、自分でも気づいていなかった心の声に出会うことがあります。
かねみつさん自身も、心理学を学び、セッションを受ける中で、たくさんの自分の気持ちに気づいてきたといいます。
答えをもらうためではなく、自分の中にある答えに出会うために対話する。
それが、かねみつさんが届けたい時間なのだと思いました。
さまざまな経験の中で見つけたもの
かねみつさんご自身も、これまでの人生でさまざまな出来事を経験されています。
幼い頃の家族との死別。
ご主人の難病。
そして、長くつらい更年期の不調。
ご主人の病気が分かったときには、この先への不安で頭が真っ白になり、更年期には、一日に何度も起こるホットフラッシュや不眠にも苦しんだそうです。
「どうして私ばかり、こんな目に遭うのだろう」
そう何度も嘆いた時期もありました。
少しでも楽になりたいと、ハーブ、アロマ、ヨガ、マインドフルネス、セルフケア、心理学など、さまざまなものに取り組んできたそうです。
さまざまなことを日常に取り入れ、自分自身と向き合っていく中で、
少しずつ物事を見る視点が変わっていったといいます。
状況そのものが変わらなくても、見方が変わることで、感じ方が変わることがある。
その経験も、今の活動につながっています。
私の人生を生きられるのは、私だけ
医療機関で20年以上働き、多くの方の病気やけがにも接してきたかねみつさん。
その経験から、人生には終わりがあることも強く感じてきたといいます。
そして、ご主人の病気と向き合う中で、大きな気づきがありました。
私が主人の人生を生きることはできないし、
子どもの人生を生きることもできない。
私の人生を生きられるのは、本当に私だけなんですよね。
そしてもう一つ。
人生の最初から最後まで、ずっと一緒にいる存在がいます。
それは、自分自身です。
その自分が「最強のパートナー」であれば、
とてもいい人生になるんじゃないかなと思ったんです。
自分を責める存在ではなく、
自分を置き去りにする存在でもなく、
自分の気持ちを聞き、応援し、味方でいてくれる存在にする。
かねみつさん自身も、自分を「最強のパートナー」にしていくことで、生き方が大きく変わったと話してくださいました。
そして今度は、その経験を誰かのために役立てたい。
その思いから、heart restの活動を続けています。
「答えは、あなたの中にある」
最後に、今、自分の気持ちが分からなくなっている方へ、メッセージをいただきました。
「私は本当はどうしたいのか?」
ぜひ、その問いをご自身に投げかけてみてください。そして、その答えは誰かの中ではなく、
必ずあなたの中にあります。
すぐに答えが見つからなくてもよい。
一人では見つけにくいときには、誰かと話しながら、自分の心を見つめていくこともできます。
「私が私でよかった」いつかそう思えるように。
かねみつさんは、heart restという安心できる場所から、その人自身の答えに出会う時間に寄り添ってくださるのだと思います。
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インタビュー動画
「心を休めること」とは、どういうことなのか。かねみつ陽子さんご自身の言葉を、ぜひ動画でもご覧ください。
収録後記
かねみつさんのお話だけを文字にすると、これまでどれほど大変な経験をされてきたのだろうと思います。
幼い頃のご家族との死別、ご主人の病気、ご自身の更年期の不調…
もちろん、その一つひとつに、言葉では言い尽くせないほどのつらさや不安があったのだと思います。
けれど、今回お話を伺いながら、私が強く感じたのは「悲壮感」ではありませんでした。
むしろ感じたのは、今を生きる逞しさでした。
過去の出来事がなくなったわけではない。
今も抱えているものがある。
それでも、そこに立ち止まり続けるのではなく、自分の人生を、自分の足でしっかりと歩いていらっしゃる。
3人のお子さんにも応援されながら、heart restという活動を育て、今度はご自身が、誰かが自分の人生を生きていくことを応援する側に立っている。
だからこそ、
「私の人生を生きられるのは、私だけ」
そして、
「自分を最強のパートナーにする」
という言葉が、とても自然に、そして力強く心に残りました。
つらい経験があったから強くなったなんて、単純に言いたいわけではありません。
どうにもできないこともある。
状況がすぐには変わらないこともある。それでも、自分の心を置き去りにせず、
「私は本当は、どうしたい?」
と問いながら、自分自身の人生を歩いていくことはできる。
かねみつさんご自身が、そのことを今の姿で見せてくださっているように感じました。
そして、自分の声が聞こえなくなってしまったときには、安心して心を休め、誰かと一緒に自分の内側を見つめる時間があってもいい。
「本当に、自分の人生を生きていいんだ」
そう心から思えるところまで、かねみつさんなら、きっとその人の歩みに寄り添ってくださると思います。
かねみつさんの芯と愛のある想いが、
今、「しんどい」を抱えている多くの方の心を支え、自分の人生を歩いていく勇気につながっていきますように。
そして、必要としている方のもとへ、どうか届きますように。
かねみつ陽子さん、貴重なお話をありがとうございました。
取材・文:原 良恵
※この記事でご紹介している心身の不調や変化は、かねみつ陽子さんご本人の体験です。カウンセリング、コーチング、セルフケア等による特定の効果をお約束するものではありません。体調に不安がある場合は、医療機関へご相談ください。
