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管理職研修の場で、必ずと言っていいほど耳にする言葉があります。

「部下とギャップがありすぎて、どう接していいか分からない」
「今の若手って、何を考えているのか分からない」

共感もします。
時代背景も価値観も、育ってきた環境も違えば、戸惑うのは当然です。

でも──
“分からない”ままで距離を取ってしまうことが、
余計にその「ギャップ」を深めてしまうこともあるのです。


■ 「分かろうとする姿勢」こそが、信頼につながる

あるベテラン管理職の方が言っていた言葉が、印象的でした。

「結局、“分かろう”とする姿勢だけでも伝わるんですよね。
黙って待ってるより、思いきって聞いてみる方が早いですよ。」

その方は、若手部下との間に違和感を感じながらも、
「どこで困ってる?」「今どう感じてる?」と、素直に尋ねるようにしたそうです。

相手から反応がすぐになくても、あいさつを重ね、声をかけ続けることで、
少しずつ関係性が変わっていったと話してくれました。


■ 迷ったときに選べる“もうひとつの判断軸”

私たちは、つい「(自分の価値観による)正しさ」で判断してしまいます。

でも職場の関係においては、
「正しさ」より「関わる勇気」の方が、価値があるのかもしれません。

「どっちが正しい?」と迷ったときこそ、
「どっちが関係をつくる行動か?」で考えてみる。

その視点でいくと、「聞いてみる」「近づく」は、
関係性を進める選択として、とても大きな一歩になるのです。


■ 決断とは、“完璧に考えたから選ぶ”ことではない

決めることは、確信を持つことじゃない。
「この方向でやってみよう」と、小さな仮説を持って動くことだと思います。

コミュニケーションの正解なんて、相手の数だけ変わります。

でも、どんなときも選べる行動がひとつあります。

それが、“聞くこと”。

「分かろうとすること」は、相手にとって“信じてもらっている”というサインになります。


対話に悩んだら、ぜひ思い出してみてください。

聞いていい。
分からなくても、聞けばいい。

その選択が、チームの空気を変える最初の一歩になるかもしれません。

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