「良い上司」と「苦手な上司」の分かれ道──タイプに合わせた“対話のコツ”とは?
若手社員向けの研修に行くと、毎回出てくる感想があります。
それは──
「うちの上司は、いい人です」「ちょっと苦手なタイプです」と、
まるで“推し”と“アンチ”が分かれるような声。
もちろん、相性や性格の合う・合わないもあるでしょう。
でも話をよく聞いてみると、「接し方」や「声のかけ方」で印象が大きく変わっていることが多いのです。
例えば、「どんなときに“良い上司だな”と感じましたか?」と聞くと──
・ちゃんと話を聞いてくれる
・困ったときにすぐ気づいてくれる
・頭ごなしに否定しない
そんな声が返ってきます。
一方で「ちょっと苦手な上司は?」と聞くと──
・すぐに否定される
・“何が言いたいの?”と急かされる
・目が合っても話しかけてこない
などなど。
こうして見ると、“良い or 苦手”の分かれ道は、スキルよりも対話のスタンスにあるように思うのです。
■ 対話にも「タイプ別のコツ」がある
人には、話しやすいタイプ・そうでないタイプがあります。
話すのが得意な人もいれば、じっくり考えてからでないと言葉にできない人もいます。
だからこそ、対話のコツは「自分のスタイルに合わせること」ではなく、
相手のスタイルに合わせること。
たとえば──
🟢 反応がゆっくりな人には、「待つ」ことが大切。
🟠 すぐに結論を求める人には、「考えながら話す」余白をつくる。
そうやって、“話す”こと以上に、“聴く・間をとる・受け止める”ことの方が、対話をスムーズにしてくれるのです。
■ 対話は「技術」より「習慣」
コミュニケーションは、才能ではありません。
ほんの少しの意識と習慣で、誰でも変えていけるものです。
若手社員が「この人のためなら頑張りたい!」と思える上司には、
「自分をわかってくれる感じ」がある。
それは、相手の話を引き出す“聴く力”と、
タイプに合わせた“寄り添い力”があるからこそ。
部下との関係に悩むとき。
「どう言えばいいか?」を考える前に、
「この人はどんな人だろう?」と想像してみる。
その姿勢が、対話の質を変える第一歩かもしれません。
ただ、これでは「らしさ」ではなく、自分を変えるってことじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。次の記事でそのあたりお話させていただきます。